ロイヤルコペンハーゲン

ロイヤルコペンハーゲン BACAとTENERA

ロイヤルコペンハーゲンの食器というと、

西洋のどちらかといえば華奢な食器をイメージされる方が

多いかと思います。

 

私も、BACAとTENERAを知るまでは

私の好きな北欧じゃない。とあまり興味深くみていませんでした。

なので、BACAの花瓶をみてとても驚いたのを覚えています。

先日、入荷したTENERAシリーズですが、あわせてBACAシリーズについて

書いてみたいと思います。

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(入荷情報はこちら↓)

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今のコペンハーゲンと違うわけ

この2つのシリーズは1958年から製造され60年代に人気を博した

シリーズです。

普段イメージするロイヤルコペンハーゲンと趣が違うのは、

時代背景ももちろんありますが、そもそも作られていた工場が違うこともその要因のひとつです。

この2つのシリーズが作られていたのは「アルミニア」という工場でした。

ロイヤルコペンハーゲンも多くの陶磁器メーカーがそうであるように

統廃合を繰り返しながら成長を続けてきました。

1882年にアルミニア社はロイヤルコペンハーゲンを買収しました。

しかし、名前をアルミニアに統一することはせず、ロイヤルコペンハーゲンという

ブランド名を継続させたのです。

そのため、ロイヤルコペンハーゲンというブランド名のものが、

アルミニアの工場で製造されるという状況となり、

北欧ヴィンテージの一端を担う偉大なデザインが生まれました。

アルミニアという名前は1969年まで使われていましたが、

現在は存在しません。

今回焦点をあてたBACAとTENERAはロイヤルコペンハーゲンの刻印のあるものと

アルメニアの刻印があるものが混在しているので、バックスタンプをみてみると面白いですよ。

BACAとTENERAを生みだしたニルス・トーソン

今回焦点をあてているバッカ(BACA)とテネラ(TENERA)について話す上で、

時間を割かないといけないのが、ニルス・トーソン(Nils Torsson)です。

 

ニルス・トーソンは1912年に14歳でロイヤルコペンハーゲンに入社し

下積み時代を経て、1933年に同社のアートディレクターに就任しました。

ロイヤルコペンハーゲンでは1967年から毎年イヤーマグが発売されています。

私も生まれ年のイヤーマグを持っていますが、その第1号はニルス・トーソンが手掛けています。

彼は商業的才能と、アーティスト的な感覚をともに持ち合わせた数少ない人物の一人で、

BACAやTENERA以外にもカジュアルな日用品から、実用品までたくさんの商品を手がけました。

14歳で入社というんですから、現場で腕を磨いたんでしょうか。

 

デザインもそうですが、彼がすごかったのは新しい製法を作り出したことだと思います。

それまでファインアンス製法と呼ばれる製法はあまりよしとされていなかったそうです。

どちらかというと、田舎臭いというか、昔ながらのパッとしない製法だったようです。

しかし、彼は洗練されたデザインを入れることで、土の風合いを楽しめる磁気とは違った

独特の製法を作り出しました。

日本の陶磁器の影響もうけているとか。。。

テネラ(TENERA)のほうが、BACA(バッカ)シリーズより早く製造が開始されているのですが、

テネラのデザイナーたち(このあと紹介しようと思っていますが、)みな本当に学校を出たばかりの若いデザイナーたちでした。

そういう若くて新しい感性の女性たちにデザインを担当させたのも、

ニルス・トーソンの才覚ではないでしょうか。

若くて、生き生きしたデザインを取り入れることが、テネラシリーズの成功の鍵だったんじゃないかな、と思うからです。

 

今回紹介しているBACAとTENERAはそれまで人気だった繊細な絵付けではなく

デザインは少し抽象的で、とてもダイナミックなところが特徴です。

若きデザイナーの力と、古き製法を融合させたニルス・トーソンの功績は大きいな、と思います。

6人の女性たちが描くTENERAシリーズ

TENERA(テネラ)シリーズで絵柄のデザインを担当したのは

学校を卒業したばかりの若い女性たちでした。

ニルス・トーソンはそんな彼女たちに自由に表現の場を与え、

若く溢れる感性を発揮させました。

テネラ

 

テネラシリーズはほとんどが鳥や草花がデザインされ

女性らしさとともに生き生きとした力強さも感じられるシリーズです。

6人のデザイナーたちは、出身地も違えば、作風も異なります。

1958年から70年代まで続いたこのシリーズは、

制作期間中、デザイナーたちはお互いに影響を与えあい、

成長していったのではないでしょうか。

 

作品の裏には彼女たちのサインが描かれているので、

誰の作品かすぐにわかります。

またそのサインもイニシャルをもじってあって

なんだかかわいらしいです。

6人のデザイナーたち

Berte jessen(ベルテ・イェッセン)

他のテネラのデザイナーと比べると抽象的なデザインが特徴です。

Ing-Lise Koefoed(インゲ・リセ・コェフォード)
Marianne Johnson(マリアンヌ・ジョンソン)

キリッとした表情のデザインが多いように思います。テネラは青が比較的多く使われていますが、マリアンヌ・ジョンソンのデザインは青もはっきりしたきりっとした青を使っていて、どこかあでやかな雰囲気を感じます。テネラの中では大人っぽいというか、きれいめキャラなデザイナーさんです。鳥の表情もすまし顔です。

 

Beth Breyen(ベス・ブレイェン)

 

(写真1枚め:https://www.pinterest.dk/)

Grete Helland-Hansen(グレーテ・へランド・ハンセン)

写真のりんごのような果実のデザインが有名です。ノルウェー出身のデザイナーですが、アメリカや日本の楽焼の技術を発展させ、ノルウェーの有名デザイナーとなりました。

ハンドペイントならではの微妙な風合いと、筆の感じを楽しめます。

写真1枚め:https://www.etsy.com/) 
Kari Christensen(カリ・クリステンセン)

私個人としては、一番好きなのか、目に止まったものをみると、カリ・クリステンセンのものが多いです。そんなわけで、ALKUで扱っているTENERAもオーナーの趣味で彼女の作品が少し多めです☆草花や鳥を使った作品が多いのはもちろんなんですが、優しい筆使いで女性らしさを非常に感じられるデザイナーだな、と思います。

(サインの写真はhttp://www.jamerantik.dk/kunstnersignaturer_aluminia.htmより)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

BACAシリーズ

BACAシリーズは、TENERAとは異なり、ニルス・トーソン自らが先頭に立ってデザインを務めました。

彼を中心にJohanne Gerber(ジョアンヌ・ゲァバー)、Ellen Malmer(エレン・マルマー)の3人がデザインしています。

baca

先述のTENERAシリーズと比べると、色合いも落ち着いた色合いが使われ、絵柄も抽象的なものが多くみられます。

しかしながら、まったく地味さを感じさせません。それどころか、逆に重厚感が加わり、力強い存在感が感じられます。

少し上でも述べましたが、ニルスは商業的にもとても才覚のある人物で、たくさんの商業的な作品にも携わってきました。

そんな中でBACAは、アートピース要素の強いシリーズだったため、

彼が自らの個性を余すことなく発揮できる、彼にとっても非常に楽しいシリーズだったのではないでしょうか。

バックスタンプ(裏面の刻印)について

ヴィンテージの食器や陶磁器をみるとき

やっぱり気になるのが裏面にある刻印(バックスタンプ)ではないでしょうか。

以前アラビア社のものは少しまとめました。→[getpost id=”1888″ title=”アラビア バックスタンプの移り変わり まとめ”]

今回紹介しているBACAとTENERAも非常に面白いです。

私が調べた限りですが、少し紹介させてください。

まず、同じデザインなのに、アルミニアのロゴと、ロイヤルコペンハーゲンのものがあります。これは先述した理由からです。

他の陶磁器メーカーと同じように、時代によってその刻印は変化していきますが、

“royal copenhagen”またアルミニアの場合は”DENMARK”のアルファベットにアンダーバーがつけられ、さらに詳細な製造年を知ることができます。

BACAとTENERAには何分の何のように、バーの上下に2つの数字が記されています。

初めはてっきり製造ナンバーとか、シリアルナンバー??と思ったのですが、

下の数字が方のナンバー、上はパターンナンバーした。

つまり、同じフォルムの同じ絵付けのものであれば、同じ番号が記されているということです。

それに加えてデザイナーのイニシャルをもじったサインも添えられています。

英語のページですが、詳しく記載されているページを見つけたので添付します。

製造年(アルミニア)ロイヤルコペンハーゲン

デザイナー

→[getpost id=”1888″ title=”アラビア バックスタンプの移り変わり まとめ”]

ロイヤルコペンハーゲンの食器を裏返すと必ずあるものがあります。

3本の~~~(なみなみ)

TENERA

 


 

 

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